
こんにちは、終活つづりのことのはです。
墓じまいを考え始めると、「閉眼供養はしないでもよいのか」「魂抜きをせずに墓石を撤去できるのか」と迷うことがあります。
閉眼供養は宗教上の法要であり、改葬に必要な行政手続きとは役割が異なります。宗派や墓地の種類、寺院、石材店によっても扱いが変わるため、分けて整理することが大切です。
法律上必要な手続きと供養に対する考え方を切り分けると、何を確認してから墓じまいを進めればよいのかが見えやすくなります。
- 閉眼供養は改葬許可の法律上の要件ではない
- 宗派や寺院によって法要の考え方が異なる
- 閉眼供養をしなくても改葬や墓所返還の手続きは必要
- 墓地管理者や石材店へ事前確認してから進める
墓じまいで閉眼供養しないとどうなる
墓じまいで閉眼供養をしない場合を考えるときは、法律、宗教上の考え方、墓地の利用規則を分けて確認すると整理しやすくなります。
閉眼供養をしないことだけで法律上の問題になるわけではありません。ただ、墓石の撤去や遺骨の移動には別の手続きが関係します。
閉眼供養は法律上の義務ではない
閉眼供養は、墓石を撤去したり移動したりする際に行われる仏教上の法要です。閉眼法要、魂抜き、お性根抜きなどと呼ばれる場合もあります。
一方、閉眼供養を行うこと自体は、墓地や埋葬に関する法律で義務として定められているものではありません。

そのため、閉眼供養をしなかったという理由だけで法律違反になるわけではなく、閉眼供養をしたことを証明する書類が全国共通で求められる制度でもありません。
行政上重要になるのは、現在のお墓から遺骨を取り出して別の墓地や納骨堂へ移す場合です。この場合は「改葬」として、市区町村の許可が必要になります。
改葬については、e-Gov法令検索の墓地、埋葬等に関する法律で基本的な仕組みを確認できます。
法律では、埋蔵または収蔵されている焼骨を別の墳墓や納骨堂へ移すことなどを改葬としています。改葬を行う場合は、遺骨が現在ある場所を管轄する市区町村長の許可を受けます。
ここで注意したいのは、「法律上の義務ではない」と「どの墓でも何も確認せず省略できる」は同じ意味ではないことです。
寺院墓地では宗派や寺院の考え方があり、民営霊園や共同墓地でも管理規則が定められていることがあります。石材店が独自に工事条件を設けている場合もあります。
墓石を撤去する前の法要を大切な節目として考える家族もいます。法律上必要かどうかだけではなく、供養に対する家族の考えも確認しておくと話し合いを進めやすくなります。
つまり閉眼供養の必要性は、法律上の義務かどうかだけで判断するのではなく、墓地のルールや宗教上の考え方も確認したうえで決めることになります。
改葬許可とは別の手続き
閉眼供養と改葬許可は、混同しやすいものの性質が異なります。閉眼供養は宗教上の法要で、改葬許可は遺骨を移す際に必要となる行政上の手続きです。

現在のお墓に納められている遺骨を、新しい墓地や納骨堂などへ移す場合は、原則として現在のお墓がある市区町村へ改葬許可を申請します。
そのため、「閉眼供養をしないから改葬手続きもいらない」ということにはなりません。閉眼供養を行わない場合でも、遺骨を移すなら改葬許可について確認する必要があります。
改葬許可では、現在遺骨が納められていることを示す墓地管理者の証明などが必要になります。申請者が墓地使用者ではない場合には、承諾書などが必要になることもあります。
自治体によっては、改葬先で遺骨を受け入れることが分かる使用許可証や受入証明書なども求めています。必要書類は申請先によって確認することが大切です。
反対に、遺骨が存在せず、墓石を撤去して墓所を返還するだけであれば、遺骨を別の場所へ移すという意味での改葬に当たらない場合があります。
ただ、この場合でも墓地管理者への返還手続きや墓石撤去、原状回復などが必要になることがあります。墓地を使わなくなるからといって、区画をそのまま残してよいとは限りません。
また、「墓じまい」は法律上の名称ではなく、墓石の撤去や遺骨の移動、墓所の返還などをまとめて表す一般的な言葉として使われています。
一方の「改葬」は法律上の手続きに関係する言葉です。墓じまいをするときに必ず同じ手続きになるわけではなく、遺骨の有無や移動先によって必要な対応が変わります。
たとえば、遺骨を新しい墓地へ移す場合と、遺骨がない墓所を更地にして返還する場合では、確認すべき内容が違います。
閉眼供養を行うかどうかを決める前に、遺骨をどこへ移すのか、現在の墓所をどのように返還するのかまで整理しておくと、その後の手続きが分かりやすくなります。
宗派や寺院で考え方が異なる
閉眼供養を行うかどうかは、宗派や寺院によって考え方が異なります。そのため、「墓じまいなら必ず閉眼供養をする」と一律に考える必要はありません。

墓石を建立した際に法要を行い、墓石を礼拝や供養の対象として扱ってきた寺院では、墓石を撤去する前にも法要を行うことがあります。
地域によっては閉眼法要のほか、魂抜き、抜魂供養、お性根抜きなどの呼び方が使われます。呼び方や法要の内容は宗派や地域によって異なります。
そのため、別の寺院や地域で聞いた名称が、そのまま現在のお墓にも当てはまるとは限りません。菩提寺がある場合は、その寺院での呼び方や考え方を尋ねる方法があります。
また、仏教のすべての宗派が「墓石の中に魂があり、それを抜く」という考え方をしているわけではありません。
この違いを考えず、「閉眼供養をしなければ罰が当たる」「法要をしなければ墓じまいできない」などと決めつけると、宗派の教えと合わない説明になる可能性があります。
閉眼供養をしなかったこと自体について、墓地や埋葬に関する法律上の罰則が設けられているわけでもありません。宗教上の受け止め方と法律上の扱いは分ける必要があります。
供養についての気持ちも家族ごとに異なります。宗教的な儀式を大切にしたい場合もあれば、長く寺院との付き合いがなく、法要を行うべきか分からない場合もあるでしょう。
家族の中で考えが分かれた場合は、まず法要が法律上必要なのか、宗派ではどのような意味を持つのかを整理すると、話し合う論点がはっきりします。
大切なのは、法律上の義務と宗教上の意味を別々に確認することです。寺院墓地であれば、墓地の返還手続きとあわせて住職へ相談しておくと認識の違いを避けやすくなります。
建立時に開眼供養を行ったか分からない古いお墓についても、「開眼していないはずだから閉眼供養はいらない」と自己判断せず、分かる範囲で親族や寺院へ確認する方法があります。
浄土真宗は魂抜きと考え方が異なる
浄土真宗について調べると、「魂抜きはしない」という説明を目にすることがあります。これは墓じまいの際に何の法要もしないという意味とは少し異なります。
浄土真宗では、ご本尊などへ僧侶が新たに魂や性根を入れるという考え方をしません。そのため、魂を入れたものから魂を抜くという考え方とも異なります。
浄土真宗本願寺派でも、新しい仏壇にご本尊を迎える際の法要を「入仏法要」とし、僧侶が仏さまの魂を入れる法要ではないことが示されています。
また、真宗大谷派では、お墓は亡くなった方に願いごとをする場所ではなく、亡き人をご縁として仏法にふれる場という考え方が示されています。
このため、浄土真宗の墓じまいについて「閉眼供養をするか、しないか」だけで整理すると、宗派本来の言葉や意味とずれてしまう場合があります。
一方で、「魂抜きという考え方を取らない」ことと、「墓石を撤去するときに何の仏事も行わない」ことは同じではありません。
墓じまいに伴ってどのような勤行や法要を行うのか、どの名称を用いるのかについては、手次ぎの寺院や墓地を管理する寺院へ確認するのが適切です。
浄土真宗には本願寺派や真宗大谷派などがあり、寺院ごとの対応や地域の慣習まで一律とはいえません。宗派名だけで法要の有無を決めないことが大切です。
宗派名が分かっていても、長い間菩提寺との付き合いがない場合や、墓地と寺院の関係が分からない場合があります。その際は、まず墓地管理者を確認すると相談先を整理しやすくなります。
「浄土真宗だから何もしなくてよい」と決めつけるのではなく、「魂抜きという考え方とは異なる」と理解したうえで、実際の墓じまいについて寺院へ確認するとよいでしょう。
石材店によって撤去対応が異なる
閉眼供養をしない場合に気になるのが、石材店が墓石を撤去してくれるかどうかです。法律上、石材店に閉眼供養済みの墓だけを撤去する義務が定められているわけではありません。
ただ、工事を行う石材店の考え方や社内方針によっては、閉眼供養を終えてから撤去作業を始めるよう求められることがあります。

寺院墓地の場合は、石材店の判断だけではなく、墓地を管理する寺院から法要を終えてから工事するよう求められる可能性もあります。
一方で、墓地管理者との調整が済み、閉眼供養を行わないことも確認されていれば、法要なしで撤去に対応する石材店も考えられます。
そのため、見積もりを依頼する段階で「閉眼供養を行わない予定」と伝えておくことが重要です。契約後や工事当日に伝えると、予定を変更しなければならない場合があります。
もう一つ確認したいのが、自由に石材店を選べる墓地かどうかです。民営霊園や寺院墓地などでは、指定または提携する石材店しか工事できない場合があります。
指定業者がある場合、別の業者から安い見積もりを取っても、そのまま依頼できるとは限りません。墓地管理者へ工事業者の条件を確認してから見積もりを進めると無駄を減らせます。
見積もりでは、墓石本体の撤去だけを確認するのでは不十分な場合があります。基礎部分の撤去、残土の処理、区画の原状回復などがどこまで含まれるかを確認します。
遺骨の取り出しについても、石材店が行うのか、墓地管理者の立ち会いが必要なのかなど墓地によって違いがあります。
撤去日と閉眼供養の日を別々にする場合もあれば、法要後に同じ日に遺骨を取り出し、撤去へ進む場合もあります。日程については寺院、墓地管理者、石材店との調整が必要です。
閉眼供養をしないことで工事自体が法律上できなくなると考えるのではなく、墓地と施工業者がどのような条件を設けているかを確認することがポイントです。
墓じまいで閉眼供養しない場合の進め方
閉眼供養を行わないと決めても、墓じまいそのものには複数の確認や手続きがあります。墓地の種類、遺骨の移動先、管理規則によって進め方は変わります。
特に墓地管理者への連絡、改葬許可、墓石撤去の条件は別々に確認することが大切です。順番を整理しておくと、途中で手続きをやり直すリスクを減らせます。
墓地の種類ごとに確認事項が違う
閉眼供養をしない場合でも、利用している墓地の種類によって確認する内容が変わります。公営墓地、民営霊園、寺院墓地、地域の共同墓地では管理の仕組みが同じではありません。

公営墓地では、特定の宗派の法要が行政上の改葬条件になっているわけではありません。その一方で、墓所返還や工事の届出など、管理者が定めた手続きがあります。
閉眼供養を希望しない場合でも、公営墓地の管理事務所へ墓石撤去の方法や提出書類を確認しておく必要があります。工事可能な日時や作業車両について条件がある場合もあります。
民営霊園では、指定石材店の利用や工事申請など独自の規則が設けられている場合があります。宗旨や宗派を問わない霊園でも、墓じまいの手続きまで自由とは限りません。
寺院墓地の場合は、墓地の利用と菩提寺との関係が結びついていることがあります。墓所返還だけでなく、法要や檀家関係について話し合いが必要になることもあります。
地域で古くから利用されている共同墓地では、自治会、墓地組合、墓地委員会などが管理していることがあります。管理者が誰なのか分からない場合は、墓石撤去の前に確認します。
| 墓地の種類 | 主な確認先 | 確認しておきたい内容 |
|---|---|---|
| 公営墓地 | 自治体・管理事務所 | 返還届、撤去工事、原状回復など |
| 民営霊園 | 霊園管理者 | 指定石材店、工事申請、返還条件など |
| 寺院墓地 | 寺院・墓地管理者 | 法要、返還、墓石撤去、檀家関係など |
| 共同墓地 | 墓地組合など | 管理規則、工事方法、返還手続きなど |
墓地の名称だけでは管理形態を判断できない場合もあります。使用許可証、契約書、管理料の案内、過去の連絡書類などが残っていれば、まず管理者の情報を確認します。
閉眼供養をしないという判断だけを先に進めるより、墓地管理者を把握して返還条件を確認するほうが、その後の手続きは整理しやすくなります。
同じ公営墓地や民営霊園という分類でも、必要書類や工事条件が全国共通とは限りません。実際に利用している墓地の規則を基準に進めることが大切です。
閉眼供養なしでも費用は残る
閉眼供養をしなければ、僧侶へ渡すお布施などが発生しない場合があります。ただ、墓じまい全体の費用がなくなるわけではありません。

一般に墓じまいでは、墓石の撤去、基礎部分の処分、墓所の原状回復、遺骨の取り出しなどに費用がかかる可能性があります。
さらに遺骨を別の場所へ移す場合は、新しい墓地や納骨堂、永代供養先などの利用費用も考える必要があります。納骨時に別途費用が設定されている施設もあります。
墓石撤去費は、墓石の大きさだけで決まるものではありません。区画の広さ、基礎の状態、重機が入れるかどうか、搬出経路などでも変わる可能性があります。
そのため、閉眼供養のお布施を省略できたとしても、墓じまい全体でどの程度費用が変わるのかは個別に確認する必要があります。
閉眼供養を行う場合のお布施にも、全国共通の公的な料金はありません。寺院や地域、法要の内容によって異なるため、特定の金額をすべてのケースへ当てはめることはできません。
寺院や墓じまいに関するサービスでは金額の目安が示される場合がありますが、それが全国共通の公的な相場という意味ではありません。依頼する寺院へ確認するのが確実です。
僧侶に墓地まで来てもらう場合は、お布施以外にお車代などを考える地域や寺院もあります。閉眼供養を省略する場合は、こうした費用が発生しないこともあります。
寺院墓地では、閉眼供養のお布施とは別に、いわゆる離檀料の話が出ることもあります。離檀料についても全国共通の料金基準が定められているわけではありません。
閉眼供養のお布施、墓石撤去費、離檀に関する金銭は、それぞれ性質が異なります。見積書や請求内容では、何に対する費用なのかを分けて確認すると整理しやすくなります。
高額な離檀料などで話し合いが難しい場合は、寺院と請求の理由を確認するほか、国民生活センターの墓・葬儀サービスに関する情報も相談先を考える参考になります。
費用を比べる際は「閉眼供養をするか」だけを見るのではなく、墓石撤去から新しい納骨先まで、墓じまい全体で必要になる項目を整理することが大切です。
改葬の必要書類は自治体で異なる
現在のお墓から遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は、改葬許可の手続きが必要です。申請先は、現在遺骨が納められている墓地や納骨堂の所在地を管轄する自治体です。
新しい納骨先がある自治体へ申請するものではない点は、間違えやすいところです。現在遺骨がある場所を基準に申請先を確認します。
必要書類の名称や形式は自治体によって異なります。そのため、インターネット上で見つけた別の自治体の書類をそのまま使用できるとは限りません。
法令上、改葬許可申請では、現在の墓地や納骨堂の管理者が作成した埋葬、埋蔵または収蔵の事実を証する書面などが関係します。
墓地使用者ではない人が申請する場合には、墓地使用者の改葬についての承諾書などが必要になります。事情によって必要な書類が変わる点にも注意が必要です。
自治体によっては、新しい墓地や納骨堂で受け入れられることを確認できる書類として、受入証明書や使用許可証なども求めています。
本人確認書類、委任状、戸籍などについても、申請者や墓地使用者との関係によって求められる場合があります。申請前に自治体の案内を確認すると手戻りを防ぎやすくなります。
一人分につき一枚の申請書を求める自治体もあります。複数の遺骨が納められている墓では、人数や氏名を事前に確認しておく必要が出てくることがあります。
古いお墓では、誰の遺骨が納められているのか分からない場合もあります。墓地管理者が保管する記録や親族が持つ資料を確認しても不明なときは、申請先自治体へ相談します。
墓地管理者が分からないなど、通常の証明を用意することが難しい事情がある場合も考えられます。必要となる代替書類は自治体の判断によるため、自己判断で進めないことが大切です。
改葬許可申請の手数料についても、無料の自治体がある一方で手数料を設定している自治体があります。全国どこでも同じ条件とは限りません。
閉眼供養をしない場合でも、改葬許可の必要書類が減るわけではありません。宗教上の法要を省略することと、行政手続きを省略することは分けて考えましょう。
閉眼供養とは別に必要となる墓じまい全体の手続きや進める順番は、墓じまいの手続きと手順を解説した記事で、準備から改葬許可、遺骨の移動、墓石撤去、墓所返還までまとめています。
墓地管理者と菩提寺へ先に確認
墓じまいを進めるときは、石材店へ撤去を依頼する前に墓地管理者へ相談するのが基本です。墓所返還や工事の条件を確認しないまま業者を決めると、後から変更が必要になる場合があります。
まず確認したいのは、墓所を返還するときの届出、墓石撤去の範囲、利用できる石材店、遺骨の取り出し方法などです。
寺院墓地では、墓地管理者が菩提寺の住職であることも多いため、墓じまいを考えている段階で話をしておくと進めやすくなります。
閉眼供養を希望しない場合も、その考えを早めに伝えることが大切です。寺院側では墓石撤去前の法要を通常の流れとして考えている可能性があります。

一方的に「法律上の義務ではないから行わない」とだけ伝えるより、宗派でどのように考えるのか、墓地規則に決まりがあるのかを確認すると話を整理しやすくなります。
法要自体には抵抗がなくても、「魂抜き」という言葉や意味に違和感がある場合もあります。その場合は、宗派ではどのような名称や意味の法要を行うのかを寺院へ尋ねる方法があります。
菩提寺がない場合や、公営墓地など寺院との関係がない場合は、墓地管理者へ必要な返還手続きを確認し、石材店にも法要を行わない予定であることを伝えます。
家族や親族の間でも、供養に対する考えが異なることがあります。閉眼供養をしないことに強い抵抗を感じる家族がいる場合は、撤去日を決める前に意見を確認しておく方法があります。
法律上義務ではないという説明だけで家族の気持ちが整理できるとは限りません。供養を大切にしたい理由や、閉眼供養を省略したい理由を分けて話すと考えを共有しやすくなります。
法要を行わない場合でも、墓石を撤去する前に家族でお参りする、掃除をするなど、宗教儀式とは別の形で区切りを設けることもできます。
反対に、法律上は不要でも家族が望むのであれば、寺院へ相談して法要を行う選択肢もあります。閉眼供養をするかしないかに、すべての家庭へ共通する一つの答えがあるわけではありません。
法律上必要な手続きを守りながら、墓地のルール、宗派の考え方、家族の気持ちを確認して決めることが大切です。
無断撤去や無許可の改葬は避ける
閉眼供養が法律上の義務ではないからといって、墓地管理者へ何も伝えず墓石を撤去してよいわけではありません。

墓地の区画は、墓地管理者との使用関係に基づいて利用しているケースが多く、墓じまいでは墓所を返還するための手続きが必要になる場合があります。
墓石撤去では、墓石だけではなく基礎部分まで取り除き、更地へ戻すことを求められることがあります。どこまで原状回復するかも墓地ごとに異なります。
石材店と工事契約をしてから指定業者以外は工事できないと分かると、見積もりや日程をやり直すことになりかねません。墓地管理者への確認は早めに行うことが大切です。
また、遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合は、必要な改葬許可を受けてから進めます。閉眼供養を行ったとしても、行政上の許可が不要になるわけではありません。
反対に、改葬許可を取得したからといって、墓地管理者の工事規則を無視してよいわけでもありません。行政手続きと墓地の利用関係は別々に確認する必要があります。
特に寺院墓地では、改葬許可の準備だけを先に進め、菩提寺への相談が最後になると、法要や墓所返還に対する認識が食い違う可能性があります。
墓じまいを決めた理由や今後の納骨先について、寺院へ早めに伝えておくことで、必要となる手続きや法要の有無を確認しやすくなります。
費用についても、その場ですぐ支払う前に、何に対する金額なのかを確認することが大切です。墓石撤去費、法要のお布施、墓所返還に関する費用などは同じものではありません。
説明が十分でない高額な請求などで困った場合には、請求根拠や契約内容を整理したうえで、公的な消費生活相談窓口を利用する選択肢もあります。
閉眼供養をしない墓じまいでは、「法要を省略すること」と「必要な手続きを省略すること」を混同しないことが重要です。
墓地管理者、改葬元の自治体、改葬先、石材店のそれぞれに確認する内容を分ければ、何を済ませてから墓石を撤去するのか整理しやすくなります。
墓じまいで閉眼供養しない場合に関するよくある質問
閉眼供養をしない墓じまいでは、法要の有無だけでなく、改葬や墓石撤去についても疑問が残りやすいところです。
ここでは、墓じまいを具体的に進める段階で確認しておきたい点を、よくある疑問に沿って整理します。
Q.閉眼供養をしないと法律違反になるか
閉眼供養をしなかったこと自体で法律違反になるわけではありません。閉眼供養は宗教上の法要であり、改葬許可の法定要件とは別です。
ただ、遺骨を別の墓地や納骨堂へ移す場合には改葬許可が必要です。法要をしないことと行政手続きをしないことは同じではありません。
また、墓地使用規則で墓石撤去の手続きが決められている場合があります。法律だけではなく、墓地管理者にも確認してから進めることが大切です。
Q.魂抜きなしで石材店へ撤去を頼めるか
対応する石材店はありますが、すべての石材店が同じ方針とは限りません。供養を済ませてから工事を行う方針を設けている場合もあります。
また、墓地によっては利用できる石材店が指定されていることがあります。先に墓地管理者へ工事条件を確認し、その後で石材店へ相談すると進めやすくなります。
見積もり時には、閉眼供養を行わない予定であることを伝えます。遺骨の取り出しや原状回復まで含めて対応できるかも確認しておくとよいでしょう。
Q.公営墓地なら閉眼供養は不要か
公営墓地の改葬手続きで、特定宗派の閉眼供養が法律上の条件になるわけではありません。法要を行うかどうかは、宗派や家族の考えによります。
公営墓地であっても、墓所返還、墓石撤去、工事届などの手続きが定められている場合があります。閉眼供養をしないから管理者への連絡も不要ということではありません。
実際の返還方法や工事条件は利用している公営墓地の規則を確認します。改葬する場合は、現在のお墓がある自治体で改葬許可についても確認します。
Q.家族が閉眼供養を望む場合はどうするか
閉眼供養には宗教的な意味だけでなく、お墓との区切りとして大切に感じる家族もいます。法律上必要かどうかだけで決めず、家族の考えを確認する方法があります。
全員が同じ考えになるとは限りません。僧侶へ法要の意味や宗派の考え方を尋ねたうえで、家族で判断する方法も考えられます。
閉眼供養を行わない場合でも、墓石撤去前に家族でお参りするなど別の形で区切りをつけることはできます。一つの方法だけを正解と考える必要はありません。
墓じまいで閉眼供養しない時のまとめ
墓じまいで閉眼供養をしないこと自体は、改葬許可を得るための法律上の要件ではありません。閉眼供養は宗教上の法要であり、行政手続きとは分けて考える必要があります。
一方で、宗派や寺院によって供養の考え方は異なり、墓地使用規則や石材店の方針によっても対応が変わります。
浄土真宗のように魂抜きという考え方とは異なる宗派もあります。「墓じまいなら必ず閉眼供養をする」と一律に考えるのではなく、宗派での法要の意味を確認することが大切です。
閉眼供養を行わない場合でも、遺骨を別の墓地や納骨堂へ移すなら改葬許可が必要です。墓石撤去や墓所返還についても墓地管理者のルールに従って進めます。
また、公営墓地、民営霊園、寺院墓地、共同墓地では、墓所を返還するときの手続きや利用できる石材店などが異なる場合があります。
まず現在の墓地管理者へ相談し、必要に応じて菩提寺、改葬元の自治体、改葬先、石材店へ確認すると、手続きと法要を分けて整理しやすくなります。
閉眼供養をしない理由が費用面にある場合も、墓石撤去や原状回復、新しい納骨先などの費用は別に考える必要があります。墓じまい全体で必要になる項目を確認することが重要です。
供養への考え方は家族ごとに違います。法律上必要な手続きを押さえながら、宗派や墓地の条件、家族の気持ちを踏まえて方法を選ぶことが大切です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※記事内の情報は一般的な内容をもとにまとめています。墓じまいの手続き、必要書類、費用、墓地の利用条件、閉眼供養の扱いは、自治体、宗派、寺院、霊園、墓地管理者、石材店などによって異なる場合があります。実際に手続きを進める際は、関係する自治体や墓地管理者、寺院などへ最新の情報をご確認ください。

